<天皇杯:柏2-1神戸>◇11日◇ホムスタ◇3回戦

 左ひざを手術し離脱していた神戸FW大久保嘉人(28)が、2カ月ぶりの復帰戦でいきなり復活ゴールを決めた。後半26分に途中出場すると、同35分に相手GKが弾いた球に素早く反応し、頭で同点弾を押し込んだ。延長の末、J2首位柏に1-2で敗れたが、現在リーグ16位と降格圏のチームにとって、エースの復活は明るい材料だ。4大会ぶりの優勝を狙う浦和などJ1勢が4回戦へ進んだ。

 ゴール前にいた大久保の目の前へ、願ってもないボールがきた。途中出場してからわずか9分後の後半35分。FW茂木のシュートを相手GKが弾くと、そのこぼれ球に素早く反応。公式戦では7月25日のリーグ大宮戦以来となる復活弾を、頭で押し込んだ。

 「たまたま(球が)来ました。でも、自分の中では大きいね。久々の復帰やったし」。

 8月14日の湘南戦後に、左ひざの違和感を訴えた。同21日に手術を受け、この日が約2カ月ぶりの復帰戦。試合に飢えていたストライカーは、同点ゴールだけでは物足りずに暴れ回った。延長前半には、相手DFのしつようなマークに思わず左手で“水平チョップ”。早速もらったイエローカードにも「手があたっただけ」と話し、延長後半にはオーバーヘッドシュートも披露した。

 リーグ16位とJ2降格圏にいるチームにとって、待ち遠しかったエースの復活。試合は1-2で競り負けたが、大久保は「1番重要なのはリーグ戦。これから集中していける」と天皇杯敗退もプラスに考えた。和田監督も「大久保は良くやってくれた。存在感はやっぱりある」と評価。リーグ次戦は17日横浜戦(日産ス)。J1生き残りへ、戻ってきたエースの力は欠かせない。【木村有三】