<J1:川崎F1-1磐田>◇第28節◇30日◇等々力

 磐田はアウェーで川崎Fと対戦し引き分けた。後半にFWジウシーニョ(26)のゴールで先制したが、終盤に追いつかれた。台風14号の影響による強い風雨の中、勝利こそ逃したが、リーグ戦7試合連続黒星なし。2カ月間負けることなく、広島とのナビスコ杯決勝(11月3日、国立)に臨む。

 ナビスコ男がここでも輝いた。後半23分、MF西の右クロスをファーサイドから走り込んだFWジウシーニョが頭で合わせた。GKがはじいたボールを相手守備陣が体勢を整える前に、今度は左足でゴール上に蹴り上げた。「倒れた相手が起き上がる瞬間だった。だから低いシュートでは止められると思って上を狙った」と冷静に先制点を決めた。終盤、同点にされたが、リーグでは2カ月間負けを味わうことなくナビスコ杯決勝に臨める。

 ナビスコ杯で5ゴールを決め、決勝進出へ大きく貢献した男が、最後まで大会を盛り上げる。「すぐにナビスコ杯の決勝がある。頭を切り替えて決戦に合わせたい」。このゴールが結果的に勝ち点1をもたらした。これでチームは7年ぶりのリーグ7戦連続負けなしで、9月以降の公式戦では8勝4分け1敗。ナビスコ杯準決勝で川崎Fに喫した唯一の敗戦も2戦合計では上回った。負け癖を一切つけず、大一番に臨むことができる。

 ジウシーニョはまだ見ぬ第2子が大きなモチベーションになっている。ホザンジェラ夫人の妊娠発覚後にゴールを決めた際、ボールをおなかに入れる「おめでたパフォーマンス」を披露した。するとその写真を多くのファンからプレゼントされ、今は自宅に飾っている。予定日の年末年始まで日に日に膨らむ夫人のおなかと、写真に写った自分のおなかを見ながら、気持ちを奮い立たせている。

 台風14号の影響で、強風にさらされた前半をしのぎ、後半は追い風に乗ってゴールが生まれた。「アウェーでの悪天候でも、チームとしていいプレーができていた。この引き分けは大きい」とジウシーニョ。決戦まで中3日。7年ぶりの日本一まであと1つ。大型台風にも負けないこの勢いで、国立の大舞台に立つ。【栗田成芳】