<高円宮U-18プレミアリーグ・イースト:札幌U-18

 2-1

 東京U-18>◇最終節◇11日◇東京・東京ガス深川グランド

 札幌U-18が北海道サッカー界の歴史を塗り替えた。2位で迎えた最終節東京U-18戦を勝利。前節まで首位の東京Vユースが敗れたため、逆転で初代王者に輝いた。主力のトップチーム帯同や世代別日本代表招集で固定メンバーが組めなかったが、逆にそれが選手層の底上げにつながり、4月から続いたリーグ戦を乗り切った。日本一をかけ、17日のチャンピオンシップ(埼玉スタジアム)でイースト覇者の広島ユースと対戦する。

 東京戦を制してベンチに戻ってきた札幌U-18イレブンに、東京Vユース敗戦の朗報が飛び込んできた。選手は飛び上がり、ガッツポーズし、抱き合って歓喜の輪を作った。最後にはボトルに入ったドリンクで“シャンパンファイト”。DF永井晃輔主将(18)は「北海道の歴史を変えることを目標にしてきた。本当に勝ててうれしい」と興奮気味にまくし立てた。

 トップチームに昇格するDF奈良竜樹(18)ら4人を含めた主力選手は今季、トップチームに同行することが多かった。世代別日本代表に招集されることもあり、メンバーを固定して試合に臨むことができなかった。それでも四方田修平監督(38)は「いるメンバーが頑張った」と振り返る。

 留守を任された選手たちは試合でも練習でも全力で取り組んだ。1-1で迎えた後半39分に決勝ゴールを挙げたMF中原彰吾(17)もその1人。「代表に呼ばれている選手が抜けているから負けたと言われたくなかった」と言う。その気持ちが優勝を決める大仕事につながった。四方田監督は「底の厚さが強さ。いい方向に向かった」と目を細めた。

 優勝目前の終盤戦、降雪で思うように練習できなかった。だが、1日だけトップチームの練習場を除雪して使わせてもらい、準備を進められた。J1昇格を決めた“兄貴”の後押しもあった。四方田監督は「北海道の選手は冬場は大変だけど、自分たちもやれることを証明したかった。北海道全体で勝ち取った優勝です」と笑った。

 日本一をかけて昨年覇者でユースの名門、広島ユースと対戦する。11月27日のJユース杯準々決勝で延長の末、3-4で敗れている因縁の相手だ。奈良は「2度も負けたくない。絶対に勝つ」と誓った。【井上学】