カズ参戦で盛り上がる日本フットサルリーグ(Fリーグ)のエスポラーダ北海道が12日、札幌との“共闘”を呼びかけた。15日の府中戦(札幌・北海きたえーる)でJ2横浜FCの三浦知良(カズ=44)が加わるように、Fリーグ規定ではJリーグクラブから2選手を追加登録可能で、札幌の助っ人もウエルカム。札幌サイドも、Fリーグ参戦に賛同する姿勢を打ち出しており、来季にも実現される可能性が出てきた。

 カズ参戦で生まれた熱気を一過性にはしない。エスポラーダ北海道の小野寺隆彦監督(37)は、札幌選手のFリーグ参入を心待ちにした。「カズさんの加入でフットサルにも参入しやすくなる。札幌の選手にも来ていただければ、うちの選手のレベルの向上やモチベーションアップにもつながる」。同じサッカーのトップリーグで活躍するクラブだ。カズが切り開いた1歩を、今度は地元2クラブの共闘につなげる構えだ。

 現時点で具体的な連携は始まっていないが、札幌サイドも協力姿勢を打ち出している。札幌のクラブ幹部は「エスポラーダ側に迷惑がかからないよう。オフの期間でもあるのでケガへの対応まで考え、狙いを持って参加したいという選手がいれば問題ない」と話した。Jリーグは12月上旬に終了するため、チーム始動の1月中旬までの期間であれば、カズ同様に参戦が可能だ。クラブではあくまで選手個人の参戦意思を尊重。調整の一環ではなく、フットサルでも戦力として貢献できるかの見極めを、しっかり行ってから送り出していく。

 実現すれば、北海道のサッカーファンには、待望のコラボレーションとなりそうだ。FリーグはJリーグのシーズンオフにも試合が開催されており、札幌選手のプレーを1年通して観戦できる。選手にとっても、小さなコートでプレーすることで、新たな発見につながるかもしれない。

 小野寺監督は「コンサドーレさんの方が先輩。私たちは受け入れに対してお願いする立場。でも同じファミリーとして手に手を取り合ってリードしていければ」と言う。昨年11月にはコンサドーレ札幌のマスコット「ドーレくん」とエスポラーダ北海道のマスコット「リスボ」が、互いのホームゲームを訪れた。マスコット間交流は経験済み。今度は選手間交流を実現させ、道内サッカー界に新風を吹き込んでいく。【永野高輔】

 ◆Jクラブ選手のFリーグ出場方法

 09年のリーグ要項でJクラブ選手が円滑にFリーグに参戦できる仕組みとして「Jリーグ選手枠」が定められた。Fクラブ1チームにつき2人まで設定可能で、通常選手登録14人の適用範囲外となる。追加登録期間を設けず、シーズンを通じて選手登録が可能。当該選手はJFAフットサル個人登録を行った上で、FクラブからFリーグに選手登録を行う。