<J12年ニッカン・フットボール・アウォーズ守備編>

 大宮に救世主が現れた-。「ニッカン

 フットボール

 アウォーズ」の第2回は守備編。8月に神戸から期限付き移籍で加入したDF河本裕之(27)が、大宮の守備に安定感をもたらし、J2降格危機にあったチームをJ1残留に導いた。Jリーグ公認データ「スタッツ・スタジアム」も、その貢献度の高さを証明。「守備プレー率」でリーグ最高の数字を残した。

 大宮のリーグ終盤の快進撃は、河本の加入とともに始まった。新天地で持ち味の対人プレーと空中戦の強さを発揮し、タックルやインターセプト数などから算出した「守備プレー率」(90分換算の守備回数)でリーグ1位、「自陣での空中戦勝率」でも名古屋DF闘莉王に次いで日本人2位に入った。身長183センチのセンターバックが、大宮の最終ラインで躍動した。

 8月に神戸から期限付き移籍(来年1月31日まで)で加入。18日の東京戦で途中出場し大宮デビューを果たすと、チームは6試合ぶりに勝ち点3を手にした。続く仙台戦は敗れたものの、守備が大幅に改善された大宮はその後、11戦不敗のクラブ新記録を樹立した。不敗期間中の失点はわずか4点で、1試合平均0・36失点は、08年の大分がマークしたJ1年間最少平均失点記録(0・71点)をしのぐものだった。

 結果として1人のDFの移籍が、リーグの順位に大きな影響を及ぼした。移籍直前の第21節時点の神戸はJ1残留圏の13位、一方の大宮はJ2降格圏の16位だった。

 それが河本の移籍を機に、神戸は16位に順位を下げてJ2に降格し、大宮は13位でJ1残留。皮肉にも、今季所属した2チームの順位は完全に入れ替わってしまった。【石川秀和】<河本の出場記録と大宮、神戸の順位>【神戸】16節

 6・30

 A

 1○0

 川崎F

 ▲6

 

 14、1117節

 7・7

 

 H

 0●1

 仙台

 

 SUB

 15、1218節

 7・14

 A

 2△2

 大宮

 

 SUB

 14、1319節

 7・28

 H

 1△1

 G大阪

 SUB

 15、1220節

 8・4

 

 A

 1●5

 名古屋

 SUB

 16、1321節

 8・11

 H

 1○0

 浦和

 

 SUB

 16、13

 ◆神戸から大宮へ期限付き移籍◆

 

 

 

 

 【大宮】22節

 8・18

 A

 1○0

 東京

 

 ▲14

 15、1123節

 8・25

 H

 1●3

 仙台

 

 ○90

 17、1124節

 9・1

 

 A

 1△1

 浦和

 

 ○90

 17、1125節

 9・15

 H

 1○0

 鳥栖

 

 ○90

 15、1326節

 9・22

 A

 5○0

 札幌

 

 ○90

 15、1327節

 9・29

 H

 0△0

 横浜

 

 ○90

 15、1428節

 10・6

 A

 0△0

 名古屋

 ○90

 15、1429節

 10・20H

 1△1

 新潟

 

 ○90

 15、1430節

 10・27A

 4○1

 柏

 

 

 ○90

 15、1431節

 11・7

 H

 0△0

 鹿島

 

 ○90

 14、1532節

 11・17A

 3○1

 C大阪

 ○90

 14、1533節

 11・24H

 2○0

 磐田

 

 ○90

 13、1534節

 12・1

 A

 0△0

 清水

 

 ○90

 13、16※左から節、月・日、HA、スコア、相手、出場、順位(大宮、神戸)。第16節に今季初出場。出場の▲は途中出場、○はフル出場、数字は出場時間。