<データが語るJリーグ>

 今季は日本人FWの奮闘が光る。前節は得点ランク上位6人がそろってゴール。26点とした首位のFW大久保嘉人(31)を筆頭に、FW川又堅碁(24)が22点、FW豊田陽平(28)が20点、FW大迫勇也(23)、FW工藤壮人(23)、MF柿谷曜一朗(23)の3人が19点にそれぞれ伸ばした。最終節を残してトップ5に外国選手は1人もおらず、このまま得点ランク上位5傑を日本選手が独占すれば、93年のJ創設以来初めてのことになる。

 大物外国人FWが減った背景もあるかもしれないが、今季の上位6選手のこれまでの経歴を見ると、また違った側面が浮き彫りになる。大迫を除く5人がJ2経験者なのだ。大久保と工藤はチームがJ2に降格してそのままプレーした形だが、川又、豊田、柿谷は最初に所属したJ1クラブを離れ、J2の移籍先で経験を積んだ。J2という受け皿があったからこそ、成長し、その才能も花開いた。

 前年J2所属で初めて20ゴールの大台に到達した川又は「(期限付き移籍先のJ2岡山で)ゴールの味を覚えた」という。その武者修行がなければ、今のブレークはあったかどうか。今季のJ1得点ランキングは、日本選手の奮闘と同時に、J2の存在の大きさも示している。【石川秀和】◆今季J1得点ランク順位

 選手名(所属)得点(1)大久保※(川崎F)26点(2)川又※(新潟)22点(3)豊田※(鳥栖)20点(4)柿谷※(C大阪)19点(4)大迫(鹿島)19点(4)工藤※(柏)19点(7)佐藤※(広島)17点(7)渡辺(東京)17点(9)マルキーニョス(横浜)16点(10)ウイルソン(仙台)13点第33節現在。※はJ2経験者