山形は10年目の生え抜きMF秋葉勝(27)が、記憶に残る「みちのくダービー」3試合を挙げ、必勝を宣言した。

 秋葉は、誰よりも「みちのくダービー」を肌で感じてきた。ベンチから。ピッチで。中心選手として。チームと共に成長してきた「中盤の要」がその重みを振り返った。

 ◆第1位(10年7月17日NDスタ=3-1)

 開始早々の3分、中盤で左足を振り抜いた秋葉のロングシュートがネットを揺らし、この日から採用した「4-3-3」への適応力を示した。「とにかく打っていこうと。“やっちゃった系”のゴールですね」。積極策でJ1初のダービー勝利。

 ◆第2位(08年5月18日ユアスタ=2-3)

 前半18分に自身の先制弾、同39分にはFW長谷川がゴール。2点リードで前半終了も、後半は逆襲に遭い、まさかの逆転負け。「最後まで気を抜いてはいけないことを学んだ。この後の成績につながった」。直後に6連勝、J1昇格への布石に。

 ◆第3位(07年4月25日NDスタ=3-3)

 ホーム開催ながら、先制を許す。2度追い付きながら、再度勝ち越され、後半41分にMF宮沢が同点ゴール。「好調だった仙台に最後の最後で負けなかった」。

 今季初の仙台戦は、いつもとは状況が違う。同じ東北ながら被災地・仙台と、被害の少なかった山形。支援する側に立った秋葉は、鹿島MF小笠原らと、「東北人魂を持つJ選手の会」を結成。子供たちへのサッカー教室などで支える。「やれることからやりたい。今年も仙台から大勢の人が来てくれる。負けないように」。生粋の「山形魂」を持つ秋葉が「みちのくダービー」で山形への、そしてチーム浮上への明かりをともす。【湯浅知彦】