「AKB総動員」で下位に別れを告げる。J1山形は8日、天童市内で鹿島戦(11日)に向けての練習を再開した。5日のナビスコ杯では浦和に0-2と敗れたがリーグ戦で出番のなかった若手が奮起し、チーム内の競争激化は必至。次節勝てば降格圏を抜けて13位まで浮上する可能性があり、「A(=アントラーズに)K(=勝って)B(=ボーダーラインを超えるために)」総動員態勢をとる。

 最も争いが激しいのは左サイドハーフ。「鉄人」MF宮沢克行(34)は攻撃以上に守備力が高く、安定感もある。前節甲府戦で、今季初先発出場ながらプロ初ゴールを決めたMF伊東俊(23)はスピード抜群のドリブルが魅力。「第3の男」MF川島大地(24)も意表を突く位置取り、トリッキーな動きでアピール。小林伸二監督(50)は「川島はあれ(=浦和戦のゴール前で倒されたプレー)がPKならヒーロー」とほめた。

 ほかも安泰なポジションはない。中盤ならどこでもこなせるMF太田徹郎(21)は、7月下旬までに12試合をこなす日程には不可欠。DF山田拓巳(21)も調子が上がれば無尽蔵のスタミナを生かせる。連戦は「ヘビーローテーション」ではなく「ライトローテーション」で乗り切る。【湯浅知彦】