<J1:山形0-5福岡>◇第32節◇19日◇NDスタ

 山形は福岡に大敗し、最下位に転落した。

 冷たい涙雨に打たれ、うなだれるしかなかった。福岡に完敗し、J1・3年目にして初めて最下位へ転落。相手のカウンターになすすべなく散った。

 これまで、温かく見守って来たサポーターの怒りもついに頂点に達した。J2降格が決まった3日の神戸戦後ですら、拍手が巻き起こっていた。しかしこの日は最下位の福岡に圧倒され、堪忍袋の緒が切れた。前半2分、MF鈴木に先制弾を浴びるまでは良かった。だが同11分、MF松浦に決められ、早々と2失点。するとゴール裏からは「気合を入れろ!」のコールがかけられた。

 試合終了後、スタンドのフラストレーションは沸点に達した。あいさつにまわってきた選手に「どういう気持ちでやってんのか説明しろ!」「こんなんであと2試合やんのか?

 休むのか?」と罵声を浴びせた。怒りは収まらず、選手用バスの周りに500人が集結。収拾に駆けつけた中井川茂敏GM(53)、小林伸二監督(51)、MF宮沢克行主将(35)ら3選手が謝罪した。

 ところが、サポーターらはその場にトップである川越進理事長がいないことに激怒。理事長を呼び出すと、辞任要求書と2185人分の署名を突きつけた。川越氏は「最終戦の12月3日まで一緒に戦わせてください。その時に自分の意思を皆さんの前で伝えます」と回答。だが「今すぐ辞めろ。じじい」などのヤジが飛んだ。直後の、サポーター代表の鎮静の声でようやく収束。J2降格から続く「負の連鎖」が最悪の事態を招いた。【湯浅知彦】