【グアム(米国)2日=永野高輔】札幌の今季“開幕戦”が決定した。合宿地のグアムで韓国Kリーグ仁川ユナイテッドと6日に、30分3セットの練習試合を行う。韓国クラブ相手の初実戦は08年にグアムで同クラブと対戦して以来4年ぶり。激しいコンタクトプレーを特長とする韓国クラブ相手に、合宿で鍛えた守備力と肉体強化の進行度をチェックする。

 激しい肉弾戦の中から合宿での成果を見いだす。最初の実戦は、強靱(きょうじん)なフィジカルを生かしたサッカーを特長とする韓国クラブが相手に決まった。昨季主将のMF河合竜二(33)は「とにかくチームとしてできることを全部出すことに意味がある。当然勝った方がいいが、まずは内容にこだわりたい」と話した。

 当初予定でグアムでは実戦抜きとなる方針だったが、同地で合宿をする仁川サイドから練習試合の打診があり日程調整。6日に1選手原則30分出場という条件で方針が固まった。テーマは合宿を通して培ってきた守備意識の確認がメーンとなる。「とにかく早い段階で守備をつくっていかないといけないので」と河合。山下移籍で再構築が必要となったセンターバック中心に、失点を防ぐイメージをチーム全体で共有する。

 戦術面と同時にフィジカルとメンタルの強さもチェック項目の1つだ。韓国人特有のハードなタックルを想定しながらプレーすることで、厳しいJ1へ向けた心の準備を整える。FW内村は「ケガには注意したいが、やられたらやりかえす。それぐらいの気持ちで臨みたい」と口にした。合宿で築いた肉体が、コリアンパワーに通用するかを確認すると同時に、どんな相手にも向かっていくという、気持ちの部分も呼び起こしていく。

 仁川は昨季13位と低迷も、今季は元韓国代表MF金南一(34)やFW薛■鉉(33)らが加入。個人能力に秀でた選手も多く、相手に不足はない。FW前田は「試合の方が好き。最初の実戦とは言え、開幕はすぐにくる。日々アピールしていかないと」と意気込んだ。08年にグアムで対戦した際は1-1のドロー。4年ぶり再戦で仕上がり具合を分析し、ステップアップへの材料にする。

 ◆仁川ユナイテッド

 03年創設で、04年からKリーグに参入。ホームスタジアムは仁川文鶴競技場。監督は10年W杯南アフリカ大会で韓国代表を指揮した許丁茂氏(57)。昨季リーグ13位も、今季は02年W杯日韓大会4強の立役者の元神戸MF金南一や薛■鉉、オーストラリア代表MFネイサン・バーンズ(24)らを補強し巻き返しを狙う。05、06、08年には元札幌監督の張外龍氏(52=現中国・青島中能監督)が指揮を執っていた。※■は王ヘンに埼のつくり