札幌の石崎信弘監督(53)が、DFジェイド・ノース(30)への集中講座をスタートさせた。熊本合宿2日目の13日、午前、午後の練習で終日、新外国人の動きをチェック。昨季、守備の屋台骨を支えたDF山下の移籍で、最大の懸案事項とされる最終ラインの再構築へ、熱血指導を施した。

 守備を何とかしたい。その思いが石崎監督を動かした。午前は両サイドからのクロスを跳ね返す練習、午後は8対6のミニゲーム。目線の先にはいつもノースがいた。指導は身ぶり手ぶりだけでは足りず、「しゃべれんよ」という英語を駆使しての注意に及んだ。

 舞台をJ1に移す今季、いかに失点を抑えるかが躍進の生命線だ。開幕まで残り1カ月を切り、ノースにめどが立てば、チームづくりも大きく前進する。石崎監督もミニゲームでは「なれさせたい」と、交代させずに周囲との連係を深めさせる親心を見せる一方で「簡単に下がってしまう」と悪癖も指摘。現時点でその力を測りかねているのが実情だ。

 ノースも指揮官の期待は織り込み済み。「チームに貢献できるようにしたい」と殊勝な顔つきで話す。石崎監督の頭痛の種が解消されたとき、J1残留の青写真が見えてくる。【小林明央】