<プレシーズンマッチ:北九州2-1札幌>◇19日◇北九州市本城陸上競技場

 守備の修正点見えた-。札幌は1-0の前半25分に直接FKを決められ、後半39分にはDF陣の連係ミスから失点。リーグ戦で過去4戦3勝1分け無敗、無失点のお得意様に2失点した。あぶり出した課題は、熊本合宿中にてこ入れし、3月10日の開幕磐田戦(札幌ドーム)までに改善していく。

 傷口は、はっきりしていた方がメスも入れやすい。格下J2の北九州相手の敗戦。ショックはあるが石崎信弘監督(53)は冷静に受け入れていた。「今回は熊本合宿1週間やってきたことをどれだけ出せるかがテーマ。できたこととできなかったことがあった。負けるのは良くないが、いかにして改善していけるかがポイント」。悩むそぶりはない。残り3週間。指揮官にとっては、修正プランを把握するための貴重な90分となった。

 特に浮き彫りになったのはDF面だ。前半25分、DFノースがゴール前で不用意なファウルを与え直接FKを決められた。J1では精度の高いキッカーも多いだけに、開幕前の失敗は逆に、いい意識付けになる。

 2失点目のシーンは、カウンターからDF奈良が振り切られた。櫛引がカバーも両サイドバックが戻りきれず、ノーマークの選手に後ろから走り込まれた。櫛引は「僕が後ろでしっかり管理していれば」と猛省。指揮官も「攻撃しているときのDF陣のバランスが良くなかった」と分析しており今後、映像を用いながら課題をクリアにしていく。

 悲観することはない。北九州は既に今回の札幌戦前に6チームとの対外試合を組んできた。対する札幌はこれが2戦目。開幕が1週早いJ2クラブとは仕上がり速度も異なる。主将の河合は「ここで課題が出るのはいいこと。チームで話していけば形はだんだん良くなっていく」と言った。昨季も実戦5戦目まで勝利はない。今は結果に一喜一憂するより長短所を見極めることが優先だ。

 試合後には河合が、新人DF奈良を呼び寄せ「もっと声を出せ。J1ではちょっとのずれでやられる。しっかり指示して味方を動かすように」とアドバイス。開幕戦完敗からはい上がった昨季のように、主将を中心に、全員で弱さを克服できるのが今の札幌の強みだ。つかんだ課題を理解して、しっかり消化していけばいい。【永野高輔】