ルーキーが猛アピールした。札幌は4日、熊本県民総合運動公園サッカー場で鹿屋体大と練習試合を行った。開幕前最後の実戦で、ボランチで先発フル出場したMF前貴之(18)が1-1の後半37分に直接FKを決め、2-1で勝利した。サブ組中心の試合だったがFW榊翔太、DF小山内貴哉(ともに18)も得点に絡むなどU-18からトップ昇格した3人が奮闘。開幕メンバー生き残りを狙う。

 狙い通りの1発だった。後半37分、相手GKのハンドで得たゴール正面からのFK。前が右足を振り抜くと、GKが1歩も動けないままゴール左上に吸い込まれた。「GKが左足に重心を置いていたので。コースを狙えば入ると確信した」。昨季49得点中、直接FKの得点はゼロだけに石崎監督も「チームの1つの力になるね」と期待した。

 “シュンスケ”イズムが形になった。FKの手本としているのが元日本代表の横浜MF中村俊輔。携帯電話や愛用のiPodタッチには中村のキック動画だけやインタビュー映像まで秘蔵している。「キックだけでなく考え方も参考になる」。熊本合宿では岩沼俊介と同部屋で、ボランチと左サイドバックを兼務する同タイプの先輩とのサッカー談議も糧にしてきた。

 この日の1点目はDF小山内のクロスから榊がつないで生まれた。同期のDF奈良が開幕先発濃厚とあり「みんな奈良に負けたくないという気持ちがある」と前。石崎監督は「前は横や後ろへのパスが多い。もっと前に出せるようになれば」とステップアップのヒントを与えた。開幕ベンチ入り目指し、ひたむきに前を見据える。【永野高輔】