岡本が駒野を揺さぶる。札幌は7日、熊本県民総合運動公園で紅白戦を行い、MF岡本賢明(23)が主力組の左MFに抜てきされた。開幕戦(10日磐田戦=札幌ドーム)先発となれば、09年以来3年ぶり。その磐田のキーマンは、同サイドでのマッチアップが濃厚な日本代表DF駒野だ。経験豊富な右サイドバックを得意のドリブル突破で幻惑し、勝利を呼び込む。

 現役代表にもひるまず、突進する。紅白戦で岡本は得意のドリブルで仕掛け、チャンスをつくった。開幕戦出場となれば、目の前には駒野が待ち構える。「相手は代表ですが、僕は失うものはない。特長も知られてないし、出るチャンスをもらえたら、何回でも仕掛けて相手を嫌がらせたい」。真っ向勝負で「札幌の岡本」の名を全国にアピールする。

 一昨年に負傷した右膝補強のため、オフは膝上の筋力強化を徹底した。地道な練習後のケアも効果があり、熊本合宿では1度も離脱せず練習に参加してきた。「膝の状態もいい。このままアピールを続けたい」。先発した25日の福岡との練習試合では無得点ながら、石崎監督は「前田と岡本の連係は良かった」と評価した。今季は新選手会長の最有力候補でもある。ピッチ内外で奮闘し、J1残留に貢献したいところだ。

 磐田戦の思い出は08年に途中出場し、0-5で大敗した苦いもの。3年前の開幕先発も、仙台に0-1で敗れた。「あの雪辱を」。岡本の駒野封じで、チームに勢いを呼び込む。【永野高輔】