石さんはナビスコ杯も勝ちにいく!

 札幌は今日20日、ナビスコ杯予選リーグB組初戦で新潟と対戦する。石崎信弘監督(54)は過去5回、同杯を戦い、初勝利直後のリーグ戦では必ず勝ち点3を奪っている。17日のJ1神戸戦から中2日のハード日程。疲労を考慮して先発メンバー11人の入れ替え濃厚だが、フレッシュな戦力で結果を出し、24日のJ1第3節浦和戦(札幌ドーム)に弾みをつける。

 どんな戦いも全力でぶつかる。クラブの大命題はリーグ戦でJ1残留を果たすこと。昇格直後のチームにとって、ナビスコ杯と並行して戦うのは負担も大きいが、そこはチームの総力を駆使して乗り切る。19日の直前練習を終えた石崎監督もはっきり「ナビスコ杯も勝ちにいく」と明言した。

 メンバーは一気に様変わりする。この日の紅白戦で指揮官は思いきって17日神戸戦の先発から全11選手を入れ替えた。「まだ考えているが、最終的に試合に出るメンバーがベストメンバーじゃ」。神戸戦からは移動も含め中2日。当然、疲れも考慮した布陣だが、開幕2戦で未勝利と結果は出ていない。主力メンバーは固まっておらず、動きのいい選手を随時競わせる狙いもある。ベストメンバー規定があるが、基準となる公式戦5試合を消化しておらず、違反にはならない。

 中でもボランチで初先発が濃厚な宮沢、ルーキー前の名前を挙げ「その2人でどれだけボールを動かせるか」と期待した。宮沢は昨季34試合に先発した攻守の核だが今季は開幕2戦で出場機会はない。「持ち味を出してリーグでも使ってもらえるようアピールしたい」。前は選手層が薄い守備的MF候補だ。この日はMF河合が右太もも裏の張りで別メニュー。プロ初先発ながら主将の代役として期待されており「神戸戦でベンチ入りして勉強になった。宮沢さんとバランスをとってプレーしたい」と意気込んだ。

 同杯1勝はリーグ初勝利へのステップとなる。石崎監督は、過去ナビスコ杯で初勝利した次のリーグ戦で、必ず白星をつかんできた。それは同杯でアピールした選手を適所に融合させリーグに臨んできた成果でもある。「ここで勝てば勢いもつく」。札幌は08年以来4年ぶりの同杯参戦。08年もリーグ2連敗で迎えたナビスコ杯川崎F戦で1勝し、直後のJ1柏戦でリーグ初白星を挙げた。カップ戦で手応えをつかみ、24日浦和戦に向けた必勝態勢を整える。【永野高輔】

 ◆ベストメンバー規定

 Jリーグ規約の第42条「最強のチームによる試合参加」と規定されており、リーグ、カップ戦の直前5試合の内、1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならないとされている。ただし、補足基準で前シーズンの試合は含まないとされている。今季、J1は公式戦2試合しか消化しておらず、札幌はベストメンバーも固定されていないことから、11人が入れ替わるとしても抵触はしない。