<J2:岡山2-1山形>◇第5節◇25日◇カンスタ

 山形は岡山に敗れ、4季ぶりの4連勝を逃した。前半36分、ミスからボールを奪われると、最後はFW中野裕太(22)に押し込まれ、先制点を献上。後半16分にはMF仙石廉(21)に追加点を奪われた。同19分にFW中島裕希(27)の2試合連続ゴールで1点を返すも反撃及ばず。今季初勝利を目指した相手の気迫に屈した。

 山形は、勝利に飢えた岡山の執念にのみ込まれた。前半36分。自陣でパスを受けたDF前田が、岡山FWチアゴの素早いプレスをくらう。「判断を迷ってしまった。もっと早く処理しとけば…」。ふと後ろを向いた瞬間にボールを奪われ、ドリブルからシュート。1度はGK清水の横っ跳びでしのぐも、チアゴが抜け出すのと同時に走りだしていた中野に流し込まれ、大きな先制点を与えた。

 悪い流れからの失点を境に守備のリズムも狂う。後半16分、細かくパスをつながれ、ペナルティーエリア付近で受けたMF田所に3人で襲いかかる。だが重厚な守りをあざ笑うかのようにスルーパスを通され、追加点を許した。3分後、FW中島の2戦連続弾で攻勢に転じたが、4連勝には届かなかった。

 奥野監督は常日ごろ、選手に「相手のうち(=アウェーの意味)では相手の都合に合わせず、ずうずうしく戦おう」とハッパを掛ける。だが結果は真逆。「岡山さんの方が球際、ゴールへの気迫で勝っていた」と脱帽。後半30分、ライン上でボールをキープした岡山MF千明にFW山崎、DF小林がインターセプトを狙った。それに対して千明は倒れ込んでもすぐに立ち上がり、ボールを両足で挟んででも明け渡そうとしない。相手の気迫が表れたシーンだった。

 積極的な攻撃の裏返しではあるが、今季は1試合も完封がない。奥野監督は「今以上悪くなることはないし、悲観はしていない」と、攻守のバランスが取れるのはまだ先だとみている。痛い黒星は、昇格への糧にすればいい。【湯浅知彦】