ドイツ1部ニュルンベルクに移籍するC大阪の日本代表MF清武弘嗣(22)が今日30日、ラストゲームとなる長居での浦和戦で、不敗神話を完結させる。清武は10年に大分から移籍して以来、C大阪で得点を挙げた試合はこれまで公式戦18試合無敗。チームは現在リーグ14位と低迷しているが、最後の試合で不敗伝説を完結させ、勝ち点3を置き土産に、ドイツへ旅立つ。

 晴れやかな笑顔で最後の練習を締めくくった。浦和との対戦を控えたミニゲーム。首脳陣やスタッフも交えた中、清武は時おり声を出してボールを呼び寄せ、キレのいい動きをみせると、最後はPK練習も行い、最後の試合に備えた。

 「チームが勝てれば、誰が点を取っても問題ない。みんなが期待してくれているゴールはどうなるか分からないですけど、まずは勝つこと。自分は次がラストで(ドイツに)行きますし、最後はチームを流れに乗せて、できるだけ勝利で終わりたい」

 清武はC大阪では10年7月24日の山形戦以来、得点を挙げた試合は公式戦18試合連続負けなしで、不敗神話は約2年も継続中。長居で得点を挙げた試合は4連勝中。4月28日の磐田戦以来、約2カ月ゴールから遠ざかっているが、最後は得点で不敗神話を完結させ、リーグ戦ホーム4試合ぶりの勝利に導きたいところ。

 この日、大阪市内の練習場には約400人のサポーターが集結した。練習後には、前日に続いて、即席のサイン会も開催した。「もっと時間があればよかったんですけど、時間がなくて…」と、名残惜しそうに話していた。

 試合を生中継する地元のテレビ大阪では、清武専用カメラを用意し、通常よりも1台多い8台のカメラで清武のプレーすべてを追う予定を立てている。チケットもアウェーゴール裏をのぞき、すべて完売するなど、サポーターを含めて周囲のお膳立ても整った。あとは清武のゴールだけ。相手はリーグ3位の浦和だが、ひるまず全力を出し切り、久々のゴールで花道を飾る。【福岡吉央】