岩沼弾で石さんメモリアルゲームを飾る。札幌は今日30日、ベストアメニティスタジアムで鳥栖と対戦する。DF岩沼俊介(24)は、5月12日の東京戦以来5試合ぶりの戦列復帰が濃厚だ。石崎信弘監督(54)のJ1通算100試合目。09年11月22日の岐阜戦ではプロ初得点を挙げ、指揮官のリーグ通算500戦目勝利に貢献した。今度も恩返しの節目弾で、7戦ぶり勝利を呼び込む。

 左太もも裏肉離れも完治した。29日の札幌・宮の沢での紅白戦では左クロスで得点を演出。約1カ月半ぶりの公式戦に向け「状態はいい。左サイドで起点になり勝利につながるプレーを」と意気込んだ。相手は同時にJ1に昇格した鳥栖。昨季J2では唯一、勝利を得られなかった相手だっただけに「去年まで一緒に戦っていたチーム。負けたくない」と前を向いた。

 3年ぶりのゴールを狙う。プロ入り3年目の09年、それまで2シーズン、出番がなかった岩沼を抜てきしたのが石崎監督だった。同年10月21日栃木戦でJデビュー。戦力外目前から左サイドバックに定着し、3戦後の11月22日岐阜戦では初ゴールを決めた。この試合が石崎監督のリーグ500試合目だった。節目演出家として「石さんがいなかったら今、サッカーをやれていたか分からない。また自分の得点で勝利を贈りたい」と復帰弾を誓った。

 既に5月6日の横浜戦で1アシストを記録しており、指揮官も「左利きのクロスがあるのは大きい」と期待。J1で99戦、降格知らずの名将が最下位と苦しんでいる。ここは背番号6の左足で、負の要素を一気に吹き飛ばしたいところだ。【永野高輔】