岩沼がみそぎの1発で恩師の節目を飾る。札幌は29日、札幌・宮の沢で戦術練習を行い、DF岩沼俊介(24)が主力組に入った。9月1日の次節清水戦(札幌厚別)は、石崎信弘監督(54)のリーグ通算600試合目。25日の前節G大阪戦ではオウンゴールで7失点大敗に絡んでしまっただけに、今季1号での雪辱と白星奪取を目標に掲げた。

 失った1点は自分で取り返す。G大阪戦の後半38分、GK杉山からのパスを受けるも相手に囲まれ、バックパス。これがオウンゴールとなり、6点目を献上してしまった。「左右の味方がどこにいるか、事前に分かっていれば防げたこと。パスもゴロで出していれば。次の試合はまずはチームの勝利だが、もしチャンスがあれば点も狙いたい」。意表を突く職人の左足ミドルでミスを帳消しにする。

 ゴールで恩師に節目の勝利を贈る。プロ入り3年目の09年11月22日、石崎監督のリーグ通算500試合目となったJ2岐阜戦で初得点を決めた。同年10月21日の栃木戦で公式戦デビューしたばかり。出場3戦目の1発は、プロを生き抜く大きな転機となった。「あのことは今でも覚えている。あそこで使ってくれなかったら今、サッカーをやっているかも分からない」。次の600戦目は、感謝の1発で勝ち点3につなげる。

 現在2連敗中も、指揮官の100戦刻みの節目は、5戦4勝1分け無敗と験がいい。「石さんのおかげでプロの1歩を踏み出せた。恩返しの思いを結果で示したい」。メモリアルマッチで清水を迎撃し、残留への望みをつなぐ。【永野高輔】