<J2:山形2-0長崎>◇第3節◇17日◇NDスタ

 ヤングパワーで今季初勝利だ。山形が、ホーム開幕戦で長崎に快勝した。前半12分にDF山田拓巳(23)がプロ初ゴールとなる先制点を挙げると、後半16分には左サイドからのFKを同じ89年生まれのMF宮阪政樹(23)が直接決めた。先発11人の平均が25・18歳と若返り、昨年10月21日以来の勝ち点3をつかんだ。

 秘めていた思いをぶつけた。前半12分、攻撃参加していた山田は「ボールが来ればいいなと思った」とニアサイドへ進入。FW中島の折り返しに反応してゴールを確認すると、天に人さし指を突き上げた。10年10月に他界した父勤さんへプロ初ゴールを報告。昨季までは出番に恵まれなかったが、今季は開幕から3戦フル出場で結果を出し「点を取ったらやろうと決めていた。きっと喜んでくれてると思う」と笑顔を見せた。

 同い年の初ゴールに、宮阪も燃えた。後半16分、左サイドで得たFKを「GKが前に出てくるのは分かっていたので、中に合わせるふりをして狙った」。右足でニアサイドへ蹴りこむと、2月22日に誕生した長男へささげる「ゆりかごパフォーマンス」。仲間に抱きかかえられた宮阪は「前の試合も1点目もやってくれなかったので、自分で決めてできてよかった」とニッコリ。試合前にテレビ電話で見た愛する息子の顔が、何よりのパワーになった。

 「89年会」コンビを中心に、この日のスタメン平均年齢は昨季開幕時の28・1歳から大きく若返った。DFラインとGKは、5人中4人が今季から加入。新たな力もチームに勢いを与え、今季初勝利を完封で飾った。奥野監督は「練習から高いパフォーマンスを見せてくれている。自信を持っていい」とたたえた。

 開幕2戦の課題も克服した。長崎のシュートをわずか5本に抑え、山形は17本のシュートを浴びせた。山田は「今年は僕たちの代で引っ張ろうと思っている」と胸を張る。たくさんの収穫を胸に、昨年4月以来の連勝を狙う。【鹿野雄太】