<ナビスコ杯:清水1-1甲府>◇1次リーグ◇20日◇アイスタ

 ホームの清水は甲府と引き分けたが、前半9分にMF八反田康平(23)が決めた先制ゴールにチーム復調の兆しが見えた。

 今後に期待が持てる鮮やかなゴールだった。前半9分。左サイドを駆け上がったMFイ・ミンス(21)のクロスにMF八反田が飛び込み、左足でゴールネットを揺らした。「試合前から意識していた形でゴールを決められて良かった」。公式戦2戦連続ゴールで貴重な先制点をもたらすと、八反田は右手人さし指を突き立てて喜びを表現した。

 チームはここまでリーグ3試合を戦い3点を挙げているが、いずれもセットプレーやパワープレーでの得点。攻撃の形を模索し続けていた。苦しい状況の中でこの日、八反田が決めたゴールは左サイドでFW高木俊幸(21)→FW伊藤翔(24)→ミンス→八反田と4人のコンビネーションで相手を崩して奪ったものだった。八反田は「今日みたいな形を多く作っていければ、今後もっともっと点を取っていけるはず」と一定の手応えを口にした。

 一方でホームで先制しながらも勝ちきれない結果に「まだ数回しか良い場面が出ていない。もっともっと全員の距離感を大事にして、コンビネーションを上げていかないと勝ちにはつながらない」と厳しい表情で課題も口にした。この1点から復調へのきっかけをつかみたい。【前田和哉】