<J1:名古屋2-0新潟>◇第6節◇13日◇豊田ス

 名古屋が、売り出し中の3年目MF田中輝希(20)のゴールで新潟に完勝した。名古屋に3人、新潟に2人。両チーム合わせて5人の「田中」がスタメンにそろった異例の“田中マッチ”。主役になったのは、名古屋の闘莉王や新潟の達也でもなく、最も若く無名の「テルキ」だった。

 「ニアに行けと言われていたので、アドバイス通りでした」。1-0の前半32分にMF小川の折り返しにニアサイドで合わせ、前節アウェー柏戦のJ初ゴールに続くリーグ2試合連続得点。点取り屋の才能が覚醒しつつある。三菱養和SC出身。持ち味は183センチのサイズを生かしたドリブルと得点力。昨季までは控え組の練習試合でゴールラッシュし、一部で名前をもじって「テル・キング」と呼ばれていた。だが、プレーも言動も軽く、出番はほとんどなかった。

 今季は故障者続出の状況で出番を得てブレークの兆し。試合の中で闘莉王らにしかられて、学び、成長中。楢崎、玉田ら超一流も認める才能を発揮し始めた。“田中マッチ”のMVPは「まだまだです。そんなことありません」と謙虚。田中輝-。文字通り、一番輝いた田中はこの男だった。【八反誠】

 ◆Jの姓ランキング

 今季J1・2の登録選手は(1)鈴木15人(2)田中14人(3)佐藤13人の順。93年の発足以降、Jリーグの公式戦(J1、J2のリーグ戦とナビスコ杯)に出場経験のある日本人で、最も多い姓は鈴木で34人。現役では鈴木啓太(浦和)、鈴木大輔(柏)、J2水戸には鈴木隆行と鈴木雄斗の2人が在籍している。1人差の2位が佐藤で33人。勇人(千葉)と寿人(広島)の兄弟は有名。この2つの姓は、日本人の名字で最も多いといわれている。次いで3位は田中で28人、4位が吉田の21人、5位が中村の19人だった。