磐田は24日、磐田市内で練習を行い、1トップ2ボランチの新布陣に挑んだ。これまでは3バック2トップの「3-5-2」でボランチは1人だったが、この日は攻撃スタイルの「3バック」は維持し、1トップとなり「3-6-1」に変化。ボランチには、松岡亮輔(28)小林裕紀(24)山本康裕(23)がゲームごとにコンビを変え「2ボランチ」を務めた。

 松岡は5節浦和戦、前節広島戦でベンチ入り。チーム一のムードメーカーで、27日のホームでの湘南戦でもベンチ入りの可能性が高い。松岡は「2ボランチになることで、3バックだけでボールを回してるより、ボランチが1枚落ちて4人で回せるため、相手からのプレッシャーは受けにくい。でも逆に後ろが重たくなることで、前への推進力を出すために多様なコンビネーションが必要になってくる」と振り返った。

 中盤の底が厚くなれば、守備の安定感が増し、攻撃も有効な縦パスを入れることで一気にチャンスをつくれる。最終ラインとの連携も重要で、練習中から人一倍声を出す松岡には、まさに適役だ。

 「サッカーは攻守一体。前線が活性化するようなパスの起点になったり、僕自身もバランスとって守備のことも声かけしたいし。陰での動きや声かけとか、献身的な部分で勝利に導く存在でありたいと思っている」。チームでは、盛り上げ役だけでなく若い選手の意見を引き出す役割も担っている。ボランチは「かじ」の意味。ピッチ内外での松岡のかじ取りが、チームのリーグ初勝利を導く。【岩田千代巳】