<J2:千葉1-3山形>◇第17節◇1日◇フクアリ

 J2山形はアウェーで千葉に快勝した。前半15分にセットプレーからDF堀之内聖(33)のゴールで先制。2-1の後半22分にはMF伊東俊(25)の今季初ゴールで突き放した。前半17分にMF山崎が負傷退場するアクシデントも乗り越え、今季アウェー最多となる約1200人のサポーターに勝利を届けた。

 後半勝負になることは見えていた。山形は前節、残り3分から逆転負け。後半残り15分以降の失点は早くも昨季(11)の半数を超える6、得点もリーグで下から3番目の3点と、終盤に息切れして勝ち点を逃し続けていた。対する千葉も14失点のうち、後半に11失点。同じ課題を抱えるチーム同士の我慢比べだった。

 山形の戦い方は同じだった。千葉に前線から猛然とプレスをかけ、得意のパスワークを発揮させない。今季の傾向として、個々の技術が高い相手には守備で体力を消耗させられ、後半の勝負どころでパワーが残っていないことが多かった。前半は1-0で敗れた前節と同じ展開だったが、この日は後半開始早々に追加点。3点目も奪い、最後まで攻撃の手を緩めなかった。

 昨季は17節終了時点で11勝3分け3敗の首位だった。奥野監督は「今のほうが確実にレベルアップしている」と言うが、8勝1分け8敗の五分。就任1年目より結果が出ていないのは事実だ。指揮官が「何もさせてもらえない完敗だった」と振り返る千葉での初陣から1年3カ月。失点は増え、勝ち点も伸びていないが「1点取ったら、次の1点。守りに入ることはない」とFW中島が言うスタイルを、どの相手にも貫いてきた。その結果、この日の伊東の初ゴールも加えてリーグトップの14人が得点をマークするという進化を見せている。

 奥野監督は「選手の一体感に、もっといいチームになると確信した」と言った。逆襲への手応えを感じさせる、今季ベストゲームともいえる勝利だった。【鹿野雄太】