<J1:川崎F2-0清水>◇第31節◇10日◇等々力

 清水は川崎Fに敗れた。エースFW大前元紀(23)が負傷退場し、前半から苦境に立たされる。CKのこぼれ球を左足でシュートにいった際、滑り込んでブロックにきたDFと激しく接触。足を押さえて動けなくなった。9月28日の甲府戦から4試合連続ゴール中。この日も得点すれば、日本代表FW岡崎が09年にマークした4戦連発を超えたが、記録とともにピッチから姿を消した。

 プランの狂った展開で粘ったのがGK櫛引政敏(20)だった。前半27分と42分。ともに川崎FのMF小林から、ペナルティーエリア内でフリーにしてシュートを打たれたが、右手1本で続けて防いだ。その後も執拗(しつよう)にサイドを突く川崎Fの波状攻撃をしのぎ、ゴトビ監督も「櫛引のファンタスティックな守備で持ちこたえていた」と話す活躍だった。

 しかし、反抗もそこまでだった。後半19分、得点ランク1位のFW大久保に豪快なヘッド弾を許すと、43分にDF杉山浩太(28)が与えたPKで2点目を献上し力尽きた。

 中盤をコンパクトにした分、裏を突かれる悪循環。MF本田拓也(28)も「後手後手に回って何もできなかった」とお手上げだった。大前の状態は「膝か足首の靱帯(じんたい)の問題だが、深刻ではなさそうだ」(ゴトビ監督)。残り3戦への影響が少なそうな見通しだけが完敗の中での救いだった。【木下淳】