J2札幌の三上大勝GM(42)が、FWレ・コン・ビン(27)の契約延長に向け、ベトナムでの直接交渉に乗り出すことが14日、分かった。札幌とビンは来季残留の意向で一致。残すは所属元のベトナム1部ソンラム・ゲアンとの条件面の詰めとなっていた。これまでは電話などの交渉だったが、クラブ間合意につなげるため、今日15日に強化部トップがベトナム入りし、本格交渉を開始する。

 ビンの残留交渉が大詰めに入った。札幌は10月末に、ゲアン側へ来季の契約延長オファーを出した。11月に入り、1回目の返答を受け、その後は電話やメールなどで複数回、話し合いを進めてきた。「これからは直接会って話を詰めていきたい。急いで最終結論を出すというのではなく、着地へ向けた1歩」と三上GM。両者の条件にはまだ差があるため、4日間の滞在で一気に進展させる。

 ベトナム滞在中の17日には、ホーチミン市で日越友好40周年記念「ジャパンフェスティバルinベトナム2013」が開催され、会場内では岐阜-札幌戦(長良川)のパブリックビューイングも実施される。ベトナムではビンのゲアン復帰を望む声もあるが、札幌での活躍ぶり、Jリーグの盛り上がりを地元のファンに映像を通して伝えることで、交渉と並行しながら、クラブの認知度アップを図る。

 ビン残留を見据え、来年のベトナム合宿候補地の再確認や、現地関係者との折衝も行う。すでに公式戦ではベトナム企業の広告が設置され、同国内での生中継も決まっている。初のベトナム人Jリーガーだけに、残留交渉はじっくりと段階を踏んで決着させていく。