J2札幌が来季、ベトナム、タイと東南アジア2カ国を行脚しての合宿を検討していることが25日、分かった。当初、ベトナム、熊本2カ所での実施を予定していたが、昨年J1複数クラブがキャンプを行っているタイへ移動しての合宿も検討。今季は合宿短縮により準備期間も少なく、プレーオフ進出を逃したが、来季はベトナムで体づくり、タイ、熊本での実戦と、万全のプランで雪辱のシーズンに変えていく。

 無念のドローから一夜、クラブが早くも来季の強化に向け動きだした。クラブ幹部は「来季の海外キャンプ実施は既定路線。場所はベトナムだけでなく、タイでも行いたいと考えている」と話した。前日24日の最終北九州戦は、クラブ間提携するタイ1部コンケーンFCのカソム・チャナウォンスオーナー(46)も観戦。同クラブと調整し、練習場や寮などを利用しての合宿の検討を開始した。

 ビン凱旋(がいせん)合宿として、既に三上大勝GM(42)がベトナムに赴き合宿地を調査済み。ここは1次合宿として体づくりが中心で、タイの2次合宿はJ1クラブとの実戦を盛り込むことが想定される。昨年は名古屋、磐田、湘南、G大阪の4クラブがタイ合宿を実施しており、日程を合わせて現地で14年初のJクラブ相手の実戦を行うことが濃厚だ。

 期間は1月下旬に、まずベトナムから入って1週間程度でタイに移動するプランが最有力。3次合宿として2月中旬から開幕まで熊本で戦術の詰めを行う。現在、ベトナム、タイ両国間の移動方法も調査中で、経費や選手の負担も考慮し、最善の日程で、リベンジイヤーへの準備を整える。

 昨季は、緊縮財政の影響を受け、2月上旬まで札幌市内の屋内施設での練習となった。フィジカル的な負荷を十分にかけられず、2月上旬から熊本入り。1カ所、約4週間でのチームづくりとなった。札幌はこれまで開幕前合宿に約6週間かけてきただけに財前監督も「あと2週間あれば、もっといい準備ができる」と話していた。来季は灼(しゃく)熱の東南アジアで、徹底的に絞り込み、J1昇格への土台を築く。