開幕連発で“隔年キング”返上!

 J2札幌FW内村圭宏(29)が1日、今日2日の開幕磐田戦(ヤマハスタジアム)で、昨年の千葉戦に続く2年連続の開幕ゴールを約束した。昨季チームトップの17得点と爆発も過去、2年連続2ケタゴールがなく、継続した得点力が課題だった。まず難敵相手にスイッチを入れ、01年播戸以来13年ぶり連続開幕弾で、自身の成長と、3年ぶりJ1昇格につなげる。

 エースが1年前の劇的な勝利を再現させる。最終調整となったこの日、熊本県民総合運動公園でのチーム練習後、FW内村は1人黙々とランニングを終え、痛めていた左足首のストレッチを済ませた。昨年、負傷した箇所で、沖縄合宿中に再発。一時は開幕を断念することも考えたが、セウソ・フィジオセラピストとのリハビリで、何とか大事な試合に間に合った。

 「足首はもうちょっとかなというのはあるが、だいぶいい。試合が始まったら忘れるし。また去年のあの感じを思い出したい」。昨年3月3日、千葉戦の後半ロスタイムに、砂川からの右クロスを鮮やかに右足でねじ込んだ。今度は、クラブ13年ぶりの2年連続開幕弾でチームを勢いづける。

 8月24日で30歳になる。「ベテラン」と呼ばれる前に、どうしても越えたい壁がある。「FWは続けて結果を残さないと。そこを今年は意識したい」。愛媛時代の09年に自己最多18得点を挙げ、10年に札幌移籍も、腰痛の影響でコンスタントに結果を出せず5得点に終わった。11年には12得点でJ1昇格に導いたが、12年は2得点と低迷。今度こそ昨季の17ゴールに続く連続の2ケタ弾で「隔年男」からの脱却を果たす。

 敵将の采配は頭に入っている。磐田シャムスカ監督は大分時代の恩師で、プロ入り4年目の06年、初めてJ1全34試合でベンチ入りした。「しっかり相手のポイントをつぶしてくる。たぶん自分は抑えられるから、逆手にとって周りを生かせられれば」。さらに、ボランチ藤田は同じく大分時代の06年にチームメートだった。「頭がいい選手。でもスピードを使えばチャンスはある」と難敵撃破のイメージはつくってきた。

 札幌に移籍して5年目。2季連続で副主将に就任した。河合主将と1歳上の副主将日高はベンチスタートが濃厚で、初めて開幕戦でキャプテンマークを巻く。攻撃のキーマン兼けん引役として期待される。「楽しみが大きい。やれることを100%出したい」。点を取り、チームを動かし鼓舞できるエースとして、1年で最も大事な勝ち点3を呼び込む。【永野高輔】