J2山形の石崎信弘監督(56)が今日29日のホーム岡山戦で、監督として歴代最多のJ通算500試合を迎える。大分監督時代の99年から積み上げてきた。95年、現チームの前身・NEC山形で指揮官生活をスタートさせ、今年で20年目。旧JFL時代を含め通算300勝の期待もかかる。節目を前に、心境を聞いた。

 -29日に節目の500試合目

 石崎監督

 長いことやっとれば誰でも出来るさ。でも、あっという間だったね。監督を始めた山形で500試合目をできるのは光栄。多くの選手やサポーターのみなさんに支えられた。

 -思い出の試合は

 石崎監督

 (J初采配の大分で)最初の試合は岡田さんが監督だった札幌に1-0で勝った。山形とはその年の最終戦で引き分け、J1に昇格できなかった。柏と札幌で昇格を決めた試合も懐かしい。

 -印象深い選手は

 石崎監督

 (現山形コーチの高橋)健二を挙げんわけにはいかんじゃろ。おとなしかったが主将にしてよくなった。(柏時代の)李忠成(現浦和)は何度も怒ったが、日本代表にまでなった。(柏と札幌で指導した)石川直樹(現仙台)はけが人が多い時に起用してレギュラーになった。だが、わしが育てたんじゃなく、自分たちが気付いたから成長したんだよ。

 -監督生活20年目

 石崎監督

 選手経験だけで指導はできない。選手に伝えるためには、自分も勉強しなければならない。いつも身近に現場があったので、チームに持ち帰って試せたし還元できた。結果的には結構、日本サッカー界を助けているよ。

 -監督としての理念は

 石崎監督

 ほかの指導者より許せる範囲が広いんじゃないかな。みんな息子と同じくらいだが、選手とのコミュニケーションはしっかりと取りたい。人は考え方が変われば行動も変わる。基本原則は守らなければならないが、自分の判断でプレーできる選手を育てたい。1人1人が大きくなればチームも大きくなる。選手がいい判断できるようにトレーニングすることが、わしの仕事だ。

 -今後の目標は

 石崎監督

 65歳までは働きたい。年金をもらえないからね。(将来的には)大学でも高校でも、いろいろなところで経験したい。日本サッカー界のために、いい選手を育てたい。(原石が)落ちてないかな。【取材・構成=佐々木雄高】