<J1:新潟1-1神戸>◇第10節◇29日◇デンカS

 新潟の日本代表候補FW川又堅碁(24)が“サプライズ弾”で貴重な勝ち点1をもたらした。1点を追う後半45分に左からのクロスを1度は左足で空振りしたものの、ボールは軸足の右足太もも付近に当たり、なんとゴールイン。本人もビックリの同点弾を決めた男が、5月12日のW杯日本代表メンバー発表での「サプライズ選出」を狙う。

 あれ?

 入ってる…。川又自身も一瞬、何が起こったのか分からなかったのだろう。1点を追う後半45分、ゴール前でDF金の左からのクロスを左足で合わせようとしたが、まさかの空振り。だが、次の瞬間、軸足の右足太もも内側付近に当たったボールはふわりとゴールラインを越えた。本人もビックリの「サプライズ同点弾」に、照れ笑いを浮かべるしかなかった。

 川又

 空振ったのに入っちゃいました。落ち着いて空振りしました…。得点を振り返る?

 恥ずかしくて言えないです。(ゴール前に)詰めていたところで点が入って良かった。左足に当たったような…、体で押し込んだことにしておいて下さい(笑い)。

 今季リーグ戦3得点目は、チームを黒星から救う値千金の同点弾。不敗記録も8試合(3勝5分け)に伸びたが、シュートは得点時に記録された1本のみ。前半は完全に抑えられており、「8戦負けなしと言っても、全部勝ちなら良いけど、勝てない理由の1つはFWが点を取れていないから。もっと責任を持ってやりたい」と自らを律する言葉を続けた。

 4月上旬の日本代表候補合宿に参加し、大きな刺激を受けた。同時に逆転選出のためには相当のアピールが必要なことも理解しており、「もっと積極的にサッカーをしないと。ゴールへ迫るプレーも少ない」と冷静に現状を振り返った。

 5月12日のW杯メンバー発表まで残るリーグ戦は3試合。過密日程での連戦が続く。思いがけない得点にも「代表アピール?

 いや、全然です(苦笑)。修正するところを修正しないと。次につなげていかないと意味ないので」。ただ、この日も結果を残したことに違いはない。本人もビックリのゴールが、世間も驚くサプライズの布石になるかもしれない。【菅家大輔】