<J2:山形0-1磐田>◇第20節◇28日◇NDスタ

 ホームの山形は磐田に競り負け、今季初の連勝と1ケタ順位浮上を惜しくも逃した。前半から攻めの姿勢を貫き、相手ゴールに迫ったが、後半に失点。通算7勝7分け6敗と後退した。敗れはしたが、最後まで諦めない姿勢は貫き、1巡目最終戦になる次節アウェー東京V戦(7月5日)につなげた。

 山形が2位磐田に積極的な攻撃を仕掛けた。今季、磐田から完全移籍の左ボランチ松岡が古巣相手にエンジン全開。闘志をむきだしにした。前半8分。左からのスルーパスにゴール正面で反応。両チーム初のシュートを放ったが、惜しくも外れた。後半22分にもゴール前で右ロングスローのこぼれ球にオーバーヘッドを試みる積極性も見せた。

 昨季J1の磐田とJ2初対決。元日本代表4人が先発するスター軍団相手に気後れすることなく攻め上がった。石崎監督は「前半はディフェンスも集中し、攻撃もシュートまで持ち込めたが、チャンスで取れなかったのが痛かった。後半は(前半と)同じ対応ができなかった」と悔しさをにじませた。

 スタンドは大一番に合わせた年に1度の「県民応援デー」。後半30分、一瞬のすきを突かれて失点。今季最高の約1万2030人の観客を集めたホーム戦を白星で飾ることはできなかった。だが、格上と認める相手に、素直に挑戦者の気持ちで戦った。右足故障から復帰し、14試合ぶりに先発した左MF伊東も好機を演出。後半27分には、左膝前十字靱帯(じんたい)損傷で実戦から遠ざかっていたFW林が230日ぶりにピッチ復帰し、リーグ後半戦に向けて、明るい材料を残した。石崎監督は「これからゲームに慣れて行けば」と期待。林は「(リーグの)前半を棒に振ってしまったので、後半は活躍してJ1昇格に貢献したい」と意欲を見せた。【佐々木雄高】