清水のMF高木善朗(21)がリーグ戦で初先発する可能性が15日、浮上した。今日16日のアウェー仙台戦に向けて非公開調整を行ったこの日、トップ下で先発が濃厚だったMF河井陽介(25)が体調不良で欠席。大榎克己監督(49)は「病院に行っているので詳細はわからないが、連れて行く」と同行させる方針を固めているが、状況次第では代役を務めることになる。

 高木善は今季、期待の新戦力としてオランダ1部のユトレヒトから加入。しかし、先発出場は3月のナビスコ杯1次リーグ仙台戦の1試合で、リーグ戦では19試合でわずか5試合の途中出場にとどまっている。「満足できる状況とはほど遠い。先発となれば、どんな形であれ自分にとってはチャンス。ゴールやアシストという結果だけでなく、自分が出れば勝つ、という印象を残したい」。新指揮官へのアピールに燃えている。

 みなぎる闘志とは対照的に、頭の中はきっちり整理されていた。高木善は「相手DF陣は高さのある選手が多い。ゴール前での動きだしなど、自分の良さを出して地上戦で相手を崩していけたら」と、冷静に仙台“攻略法”を口にした。

 チームにとっても今季2度目の連勝を懸けた大事な一戦。97年の初対戦から9勝2分け2敗と過去のデータも後押しする。高木善は「コンディションもあがってきている。先発じゃなくても勝利のために全力でいきます」と、頼もしい言葉を並べて敵地に向かった。くすぶっていた若き司令塔が、チームを救うかもしれない。【前田和哉】