仙台GK桜井繁(35)が、今日20日のアウェー鳥栖戦に在籍6年目でリーグ戦初先発する可能性が高まった。19日のミニゲームとセットプレー練習では、今季23試合フル出場のGK関に代わって主力組のゴールを守った。また、DF村上和弘(33)も右サイドバックで7月の加入後初スタメンが濃厚。経験豊富なベテラン2人が、巡ってきたチャンスに燃えている。

 出番のなかった悔しさをぶつける時が来た。桜井はJ2で165試合の経験を持ちながら、仙台では控えに甘んじてきた。今季もカップ戦2試合に先発したが、J1での出場は甲府時代の07年12月1日東京戦だけ。約7年、2485日ぶりの舞台へ「まさかこんなに長く時間がかかるとは思わなかった。チームとして結果が出るように、次につながるプレーをしたい」。勝利への強い決意を胸に、開幕から不動だったポジションも奪い取るつもりだ。

 村上も思いは同じだ。前節新潟戦で負傷し、状態が万全ではない菅井に代わって連敗ストップを託された。練習から大きな声を出し、抜群のリーダーシップを見せるプロ15年目は「相手のサイド攻撃を減らすことは大事だけど、しっかりチームとして守るだけ」。最近4試合7失点の守備を立て直し、悪い流れを断ち切るためにピッチに立つ。

 渡辺監督の信頼も厚い。前節4-3-3で臨んだシステムについては「4-4-2に戻すことも考えられる」と含みを持たせたが、選手起用には「迷いはない」と言った。試合に餓えていたベテランが闘魂を注入し、約1カ月ぶりの勝ち点3をつかむ。【鹿野雄太】