J2札幌DFパウロン(24)の来季残留が濃厚であることが4日、分かった。クラブは15年の外国人戦力構想に着手しており、DFの軸として奮闘するパウロンの能力を評価し、構想に加えた。昨季は相次ぐケガで出場7試合にとどまったが、今季は既に19試合に出場し、高い身体能力がJリーグで十分通用すると判断。契約は今季限りのため、今後、クラブから契約延長オファーを出す。

 15年助っ人構想の1人として、パウロンがチームに残ることが濃厚となった。クラブでは、身体能力だけでなくバルバリッチ監督(52)の下、戦術的な理解も高めているブラジル人DFの進化を高く評価。強化部門の幹部は「パウロンに関しては来季も残す方向で考えている」と話した。

 チームは現在、3試合無失点中。特に3バックにした9月23日岡山戦以降のパウロンの貢献度は顕著で、前節東京V戦まで、出場した6試合で失点1とDF陣の安定感をもたらした。4バックのセンターバックとして起用されていた際は、背後を取られる場面もあったが、現在の3バックでは対人の強さを発揮。ピンチを確実につぶせるDFのキーマンとして、欠かせない戦力となっていた。他チームからオファーが来る可能性はあるが、クラブとして早々に条件を提示し、残留交渉を固めていく。

 継続して出場が可能になった面も、15年構想に加わる要因となった。昨季は負傷がちで、一時は契約解除の話も出たが、今季は古傷の右膝周りの筋力アップを徹底。コンディション面の波が減った。さらに昨年の来日後、リーグ26試合に出場しているが、高さで負けることは、ほとんどない。セットプレーでは自らの得点だけでなく、確実に相手マークをひきつけることもできる。クラブでは、守備だけでなく攻撃でも生きる能力と判断した。

 他の外国人選手の去就は未定も、既にFW丁、MFヘナン、ステファノは来季構想から外れており、今月中に強化スタッフが南米に渡り、現地で代理人を通じて、複数選手と接触する方針だ。パウロンの残留方針を固めたことで、主に攻撃的な助っ人選手の調査と、獲得交渉をすすめていくことになる。