J2札幌のバルバリッチ監督(52)が来季、FWナザリト(24)と都倉賢(28)の2トップをベース布陣と考えていることが9日、分かった。高さと強さを兼備した同タイプのストライカーを前線で併用し、J1昇格に向けた爆発的な攻撃力を生み出す。

 8日に仮契約を結んだナザリト(今季は岐阜で17得点)と、14得点でチーム得点王の都倉。ともにパワー系のFWだが、あえて共存させる。同監督はクラブとの話し合いで「2人が、ともに相手DFの注意をひくことで、互いにチャンスが増える」と説明したという。セットプレーでの高さや体の強さに加え、強烈なミドルシュートもある2人。爆発力あるストライカーをダブルで起用し、相乗効果を狙う。

 それにともない、今季ベースの3-4-3から、来季は2トップの3-5-2を基本線にしていく方針。FWの背後では、小野や内村、前田、菊岡、中原らがトップ下の位置を競いながら、攻撃陣の充実を図るというプランだ。FWの内村、前田は2トップの候補でもあり、ナザリト、都倉と定位置を争うことになる。

 最終磐田戦で、ゴールへの推進力を上げるために試した2トップ。複数布陣を使い分ける指揮官だが、来季は原則3-5-2を土台に、対戦相手のシステムなどをみて柔軟に変化をつけていく。【永野高輔】