清水は2日、静岡市内のクラブハウスで左伴繁雄新社長(59)の就任記者会見を行った。これまでの社長は親会社の鈴与株式会社からの出向だったが、外部から就任するのは同社長が初めて。昨季からの巻き返しを図るべく、クラブは残留を決めた昨年12月に正式に打診。今月1日の取締役会で正式承認された。

 会見に臨んだ左伴新社長は「これまでいろんな経験をしてきたので、経営者としての引き出しはあると思う」と意欲満々に話した。01年から約6年間横浜の社長を務め、08年からは湘南の専務取締役としてクラブ経営に携わった。当面の課題として「まずは営業力を強化し、財(力)を確保する。売りの文化を作っていきたい」。クラブの社員に対しても「プロ意識をもってできるような日常管理をしていきたい」と力強く話した。

 反骨心をバネにしてきたという。横浜の社長に就任した01年は最終節で残留が決定。翌02年はファーストステージ2位に躍進した。自身の経験を例に挙げ「あの悔しさが私自身の熱になってやってこられた。チームは数カ月で変わる」と、まずは再建を目指して手腕を振るう。【神谷亮磨】

 ◆左伴繁雄(ひだりとも・しげお)1955年(昭30)10月26日、東京都生まれ。慶大法学部卒業後、79年に日産自動車に入社。01年6月に横浜社長に就任。03、04年にリーグ連覇を達成。08年11月から湘南の専務取締役に就き、昨季はJ2優勝、J1復帰を果たす。