カナダで開催されている女子W杯で、なでしこジャパンが奮闘している。

 優勝した4年前のドイツ大会と比べて他国の進歩は著しく、なかなか思うような戦い方をさせてもらえない。そんな中でも、なでしこジャパンは2連勝を飾り、決勝トーナメント進出を決めた。

 カナダで女子サッカーが非常に盛んということもあるが、日本対カメルーンという、カナダとはまったく関係ない2国の対戦でも、スタジアムに3万1441人ものファンが集まってしまう。そんなところに、大会の盛り上がりぶりを感じずにはいられなかった。

 女子サッカーのどこが良いのか。英テレグラフ紙(電子版)は「女子サッカーが男子よりもベターな11の理由」という記事(あくまでイングランド目線ですが)で、ジョークも交えて、その人気について考察しているので紹介したい。

 1、女子選手は男子ほど憎めない 男子の多くはお金をもらいすぎ、けばけばしいアクセサリーをつけ、派手な車に乗り、豪邸に住み、タトゥーをしている。

 2、倒れたふりや時間稼ぎをしない 男子の試合はダイビング(わざと倒れること)とケガしたふりばかり。研究では男子はファウルを受けた際、女子より30秒も長く倒れている。

 3、お金の誘惑が少ない 需要と供給の問題ではあるが、ロナルド(Rマドリード)は週給30万ポンド(約5860万円)を稼ぐ。女子イングランド代表選手はイングランド協会(FA)から年間で2万3000ポンド(約450万円)が支払われるだけ。逆に言えば、お金に汚い選手は生まれにくい。

 4、純粋で汚れていない 10年W杯南アフリカ大会では誘致のために多額の賄賂が飛び交った。18年ロシア大会、22年カタール大会についても同様の疑惑がある。現在、女子W杯を開催中のカナダは贈収賄についてきっぱり否定。

 5、多様性と競争の激しさ W杯優勝国が欧州と南米に限られる男子と比べ、女子は過去のW杯6大会ですでに3大陸から女王を出している。

 6、女子は男子より教養がある 男子の試合では選手、ファンから差別的な言葉がひんぱんに発せられ、同性愛者は迫害される。女子の中には同性愛者を公言している選手も多い。

 7、イングランドは女子の方がベター この項目は英紙ならではだが、FIFAランクで男子のイングランドは15位で、女子は6位。

 8、イングランドは女子の方が成功している 男子は欧州選手権決勝に進んだことがないが、女子は2度進出している。

 9、チケットが安く、試合を見に行きやすい 男子プレミアリーグのシーズンチケットは平均508ポンド(約9万9300円)。一方、女子イングランド1部は32ポンド(約6626円)。

 10、好感が持てる 男子についてはだれもが「ヤツらはひどい」「監督を解任しろ」などとネガティブな視点で見がちだが、女子についてはメディアですら応援する雰囲気がある。

 さて、ここまでカウントダウンしてきて、最後の11番目は何でしょう? 

 それは「ユニホーム交換が楽しみ」ですと。ラストを願望!? で締めくくるなよと思わず突っ込みを入れたなるような記事でした。

 まあダイビング以外はプレーの質についての比較がなされていないので、一慨に男女どちらが良いというものでもないと思います。言えるのは、女子サッカー選手が好感の持てる存在であるのは英国でも同様のようだということですね。【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)