<欧州選手権:スペイン2-0フランス>◇準々決勝◇23日◇ウクライナ・ドネツク

 前回08年欧州選手権、10年南アW杯に続く、史上初のメジャー大会3連覇を目指すスペインがフランスに勝利。4強入りを決めた。前半19分にMFシャビアロンソ(Rマドリード)のシュートで先制すると、終了間際にも同MFがPKを決めた。意外にも「無敵艦隊」スペインのフランス戦勝利は、公式戦では7戦目にして初めてだった。

 スペインらしい、華麗なパスワークから先制点が生まれた。前半19分。左サイドのイニエスタが前方へスルーパス。追い越していった左DFアルバがこれを受け、ドリブルで相手をかわしてクロス。ゴール右に上がっていたMFシャビアロンソが豪快に頭で決めた。

 この日が代表100試合目となったシャビアロンソは終了間際にも、FWペドロが倒されて得たPKを決めて、勝利に貢献。デルボスケ監督にも記念の通算50勝目をプレゼントした。同MFは「チームは最高だった。100試合の節目で2得点出来て満足」と笑顔を見せた。

 実はこの日の勝利は、世界王者にとって意外な記録をストップする1勝でもあった。メジャー大会3連覇を目指すスペインだが、フランスには公式戦初対決となった84年の欧州選手権で0-2と敗れて以来、この日まで全6戦で5敗1分け。この日もボール保持率は55%と、普段記録する60%台には届かず。シュート数も9本(枠内5本)と1桁にとどまった。それでも少ない好機を生かして勝利。デルボスケ監督は「このレベルになれば、どの試合も厳しいもの。そこでは勝つノウハウが必要になってくる」と、イレブンの試合巧者ぶりをたたえた。

 準決勝では、C・ロナルド率いるポルトガルと戦う。勝利への鍵となるのは、やはりシャビアロンソだ。ポルトガルのエースは、Rマドリードの同僚。同MFは「クリスティアノのことは、自分たちは完璧に知っている。しっかりと集中して今日の試合、それ以上の試合をポルトガル戦で見せたい」と、分析役として勝利に貢献することを誓っていた。(山本孔一通信員)