イングランド代表MFベッカムが、来年1月から期限付きでセリエAのACミランに加入する見通しとなった。当初は米MLSのギャラクシーから完全移籍する布石かともみられたが、人気者の狙いは誇りとする代表の座を守ることにあるようだ。

 同選手の個人広報は「調子を保ち、引き続きイングランド代表に選出されることが目的だ」と23日付の英紙デーリー・テレグラフに語った。今年2月の代表親善試合では、MLSがシーズンオフのため体調不十分と判断され、イングランド代表監督に就任直後のカペロ監督に招集を見送られた。世界屈指のセリエAなら、試合勘を維持するのに文句はない。

 さらに今回の移籍にはカペロ監督もかかわったという。英紙タイムズは、イタリア人指揮官がACミランのガリアーニ副会長に自ら電話し、ベッカムの人格とプロ精神を請け合ったとの舞台裏を報じた。

 33歳の元主将は今月15日のベラルーシ戦で、歴代単独3位となる代表107試合出場を達成した。ファッション都市ミラノなら、元歌手のビクトリア夫人も気に入るなどと周囲は相変わらず騒がしいが、本人は2年後のW杯南アフリカ大会も視野に入れているだろう。(共同)