欧州各リーグ開幕を前に、異例の大型トレードが名門クラブ間で成立するなど、移籍市場が活況を呈している。バルセロナ(スペイン)はスウェーデン代表FWイブラヒモビッチを、インテル(イタリア)はカメルーン代表FWエトーを交換で獲得し、ともに5年の長期契約を結んだ。

 エトーは27日に「新しい物語が始まる。ゼロからのスタート」と意欲的なコメントを出したが、現段階の評価はイブラヒモビッチの方が高い。昨季のリーグ得点王を手放したインテルのモウリーニョ監督は「わたしはハリー・ポッターではない。奇跡は起こせない」と戦力低下を嘆き、リーグ5連覇に向けて新たなFW獲得を画策する。

 欧州王者のバルセロナはイブラヒモビッチ獲得で推定4600万ユーロ(約62億円)を支払ったが、ライバルのRマドリードは総額260億円以上を投じてC・ロナウドやカカら一流スター選手を獲得した。さらにバイエルン(ドイツ)のフランス代表MFリベリーにも触手を伸ばしている。

 イングランドでは豊富な資金力でFWアデバヨールやテベスを獲得したマンチェスターCの動きが目立つ。ただ、欧州連盟(UEFA)のプラティニ会長は「健全な精神と財務に反する」と、世界的不況下でも法外な巨費が動く市場へ不快感を示した。(共同)

 [2009年7月28日17時55分]ソーシャルブックマーク