英国のサッカー場事故でリバプールのファン96人が圧死した「ヒルズブラの悲劇」から25年となった15日、リバプールの本拠アンフィールドで追悼式が開かれ、遺族を含む2万人以上が参加した。プレミアリーグで首位を走るチームのロジャーズ監督やジェラード主将、スアレスらの選手も列席した。

 ピッチに「96」の数字が描かれ、犠牲者の名前を読み上げながらろうそくに火をともした。事故が起きた午後3時6分には黙とうをささげた。当時10歳のいとこを亡くしたジェラードは「特別な思いがある」と24季ぶりのリーグ制覇を誓った。

 事故はシェフィールドでのイングランド協会杯準決勝で、警察の誘導ミスなどで定員を大幅に超えてファンが立ち見席に押し寄せたことで起きた。悲劇をきっかけに競技場の環境が見直され、国際サッカー連盟のブラッター会長は「最高基準の安全が確保されるようになった」と哀悼の意を表した。