<欧州CL:マンチェスターU3-0セルティック>◇21日(日本時間22日)◇1次リーグE組第3戦◇マンチェスター

 【マンチェスター(英国)=春日洋平通信員】MF中村俊輔(30)率いるE組セルティックが、マンチェスターUに0-3と完敗し、3季連続の1次リーグ突破は絶望的な状況となった。オフサイドを見逃され2失点の不運もあったが、両者の力の差は歴然。中村は大きな見せ場をつくれず、後半17分に途中交代を命じられた。折り返し3試合で勝ち点1という結果に、ストラカン監督は「UEFA杯(グループ3位が今季途中から参加)を考えなければ」と、あきらめムードだった。

 試合後のミックスゾーンで、中村は無力感に襲われていた。後半17分に途中交代を命じられるなど、王者に何もさせてもらえなかった。「前半とかパスミスだらけだった。あれが実力じゃない?」。2季前の対戦時との比較を問われると「うーん」と絶句した後、「ボールは持てるんだけど、最後のところで崩せなかった」。完全な力負けだった。

 敵地で完全包囲された。前半13分、右CKからの左足キックが外れ、直接ゴールサイドネットへ。熱狂的な相手サポーターで埋まるゴール裏「ストラットフォード・エンド」からは「ざまあみろ!」とばかりに歓喜の声が上がった。2年前の9月13日、欧州CL初登場で鮮やかなFK弾を決めたのが、このゴール。相手サポーターから容赦ないプレッシャーをかけられた。

 同26分には左サイドでFKを獲得。しかし、左利きの中村には角度がなかった。直接狙わず味方へパスし、あえなくクリアされた。中村の蹴ったFKはこの1本だけ。「監督からエリア周辺での不必要なファウルは犯すなと指示された」(朴智星)の言葉通り、マンUのFK対策は完ぺき。直接ゴールを狙える位置でのFKは与えられなかった。

 シュート数6対23。今大会32チーム中、無得点はセルティックだけという惨状だ。そして勝ち点はわずかに1。決勝T進出の目安となる勝ち点10には残り3戦全勝しかないが、ストラカン監督は「グループ突破は難しくなった。これからUEFA杯を考えなければならない」と、白旗を上げた。

 次節ホームでのマンU戦に敗れれば、ビジャレアルの引き分け以上で終戦。「あんまり考えず、一戦一戦やっていくだけ」。いつもは冗舌な中村だが、この日はわずか4分ほどで会見を切り上げていた。