<欧州CL:インテルミラノ3-2CSKAモスクワ>◇1次リーグB組◇27日◇モスクワ

 インテルミラノは、DF長友佑都(25)が2点目をアシストするなど攻守に活躍し、CSKAモスクワ(ロシア)を下した。長友のアシストはイタリア移籍後2度目で、インテルでは初。スタートダッシュに失敗したインテルだが、24日のセリエAボローニャ戦に続き、今季初の連勝となった。

 長友らしいプレーだった。1点リードの前半23分。右サイドでサネッティからパスを受けると、そのまま縦へドリブル。股抜きでDFをかわしペナルティーエリア内に入ると、低くて速いクロスを「思いっきり、キーパーに当たってもいい」と中央へ入れた。これをFWパッツィーニが右足でゴール。2-0とリードを広げた。

 チェゼーナ時代の10年11月21日パレルモ戦以来、イタリア移籍後2度目となるアシスト。パッツィーニが「オレの動きを良く見ていたな」とばかりに、右手でVサインを作り両目の下にあてると、長友も満面の笑みを浮かべて抱きつき、髪の毛をくしゃくしゃにされた。

 守備でも持ち前の運動量で相手のロシア代表MFジャゴエフに仕事をさせなかった。右サイドバックでフル出場の長友を、ラニエリ監督も「すごく重要な選手。2点目は彼に負う部分が大きい」と絶賛した。

 今日29日、W杯アジア3次予選タジキスタン戦(10月11日、長居)へ向けた日本代表が発表される。7月30日のセルティック戦で右肩を脱臼した長友が、90分間フルに戦えることを証明したことはザックジャパンにとっても朗報だ。

 長友はこの日のCSKA戦で、相手と接触する際、脇を締め、右肩周辺の背中や胸に、衝撃が逃げるようにプレーした。これは東京時代の09年10月25日、練習中に右肩を脱臼した長友が、東京の渡辺トレーナーと編み出した方法。現在も連絡を取り合う同トレーナーも「衝撃を直接肩に受けない動きを模索したんです。違和感を伴いますが、そんな状況でパフォーマンスが落ちないところがすごい」と舌を巻いた。

 インテルは、最後は新加入サラテが移籍後初となる決勝ゴールを挙げて勝利。不振でガスペリーニ前監督が解任され、ラニエリ監督に交代してから2連勝となった。長友は「2勝できたということは雰囲気も変わるし、勝つことが大事ですね」と喜んだ上で、「点を取られていることは事実なんで、インテルらしい堅い守備を見せないといけない。みんなで話し合いたい」と反省。その言葉にはクラブ、そして代表をけん引する責任感がこもっていた。