日本代表DF長友佑都(26=インテルミラノ)が左膝の故障のため、26日のW杯アジア最終予選ヨルダン戦(アンマン)への出場が微妙となった。2月24日のACミラン戦で負傷し、クラブは左膝半月板と靱帯(じんたい)の損傷と発表。現地メディアは全治1カ月と報じた。現在はDF内田篤人(24=シャルケ)が右足故障、MF本田圭佑(26=CSKAモスクワ)も治療でチームを離れている。勝てば5大会連続のW杯切符が決まるヨルダン戦に向け、不安材料が重なった。

 長友の負傷は予想以上に重かった。ACミランとのダービー戦で後半26分には同点ゴールをアシスト。その6分後にベンチに退き、ドクターの処置を受けて、ベンチ横で1-1の引き分けに終わった試合を見守った。負傷の原因と特定できるような決定的な接触などはなく、本人も「ひざを負傷したことがないので、(全治)どのくらいかわからない。それほどひどいことではないと信じている」と話していた。

 当時は痛み止めは使っておらず、病院にも直行しないことから、楽観的な見方もある中、26日午後に病院で検査。クラブは公式サイトで「左ひざの半月板と靱帯(じんたい)の損傷が確認された」と発表した。全治期間は公表されず、伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトは「少なくとも1カ月は離脱」「うまくいけば3月30日のユベントス戦で復帰できるだろう」と報じた。26日のヨルダン戦への出場は極めて微妙だ。

 「欧州組」はリーグ戦、国内カップ戦、欧州カップ戦など過密日程のピーク。日本代表の右サイドバック内田も右太もも肉離れで離脱している。「今回は100%治るまで復帰しない」と明言し、復帰時期のメドは立っていない。内田に続く左サイドバック長友の負傷で、日本の両翼がヨルダン戦で不在となる可能性が出てきた。

 また、エースの本田は一昨年9月に手術を受けた右ひざの定期健診も含め、治療のためスペインで合宿中のチームとは離れているという。一方で故障はなくとも、チームで思うように出番をつかめていない「欧州組」もいる。26日をどんなメンバーがどんな状態で迎えられるのか。ザッケローニ監督にとっては悩ましい状況だ。

 ヨルダン戦は、勝てば文句なしで、引き分けでもオーストラリア-オマーンが引き分けなら5大会連続のW杯出場が決まる。しかも開催国以外では“世界最速”となる大一番。ここで決められなければ、次は6月まで3カ月ずれ込むことになる。残り2試合(オーストラリア、イラク戦)が消化試合になれば、新たな選手を試せるなどの強化策も変わってくる。だからこそ、ここですっきり決めたいところ。そんな中での相次ぐ主力の離脱-。最後の関門を前に、ザックジャパンには不安材料が膨らんだ。