<ブンデスリーガ:マインツ2-0ドルトムント>◇20日◇マインツ

 ブンデスリーガ通算100試合目を迎えたマインツのFW岡崎慎司(28)が、“シンジ対決”を制した。ホームでのドルトムント戦に先発。後半21分に通算29得点目となる先制点を決め、勝利に貢献した。ともに先発したドルトムントMF香川真司(25)は無得点で後半20分に交代。2人のシンジは明暗が分かれた。ドルトムントMF丸岡満(18)は後半34分からリーグ戦に初出場した。

 記録にも、記憶にも残る試合になった。0-0の後半21分、岡崎は右サイドを駆け上がるMFサンペリオの姿を見て、走りだした。「これで行かなくて、あいつが突破したときに後悔したくない」。ゴール前で相手DFとぶつかりながら、グラウンダーの低いクロスに滑り込んで右足を合わせて均衡を破った。「今までのブンデスリーガの中で、ベストプレーだったと思います」。通算100試合という節目の一戦を終えて、珍しく自分を褒めた。

 攻撃では味方のパスを受けるために走り、守備ではボールを持った相手DFを追いかけた。ブンデスリーガ公式サイトによると、90分間にダッシュした回数は29回、相手守備陣との競り合いに勝った回数は17回で、ともにチームトップだった。チーム全体が押し込まれる中、ポストプレーをほぼ完璧にこなして攻撃を活性化した。「チームを助けられたので、今日くらいは良かったなと言ってみたいですね」と笑顔で話した。

 日本人ブンデスリーガの通算得点記録を29に伸ばす今季4点目で、得点王争いで暫定トップとなった。直後には、相手シュートが手に当たってPKを献上したが、GKの好守でしのいだ。3季ぶりに実現し、注目されたMF香川との“シンジ対決”を制し「まあ、今まで対決するときに、そんなこと言われたことないですけど、やっとなんか…。(香川と)同じ位置とまでは自分は思っていないですけど、そう言ってもらえるだけでも、自分がコツコツと積み上げてきたのかなと思う」と喜んだ。

 21日付の専門誌キッカー(電子版)は「60分過ぎからドルトムントは減速。この時間帯に素早い岡崎が突き刺し、香川とのシンジ対決の勝利を決定づけた」と高評価。岡崎は、まだまだ泥臭くゴールを狙い続ける。【鈴木智貴通信員】