<イタリア杯:ACミラン0-1ラツィオ>◇準々決勝◇27日◇ミラノ

 【ミラノ(イタリア)28日=波平千種通信員】日本代表FW本田圭佑(28)がACミランに戻り、イタリア杯準々決勝ラツィオ戦に後半6分から途中出場したが敗れた。敗退したアジア杯から中3日。壊滅状態のミランを救うことはできなかった。

 後半6分に約1カ月ぶりのミランのピッチへ。ユニホームは同じでも、好調だったリーグ前半戦でともにプレーした主力はけがや出場停止で軒並み不在。終盤は本田不在の間に加入していたチェルチとスソとのプレーを強いられた。2人とはほぼ初対面。連係などあるはずもなく見せ場はなし。ボールがうまく足につかないシーンもあった。

 6点をつけたイタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルトは「時差ぼけがあった。日本人的献身さはあったが、サムライの夜ではなかった。むしろハラキリの夜」とした。試合後は「お疲れさまでした」とだけ言い、取材に応じずに引き揚げた。

 本田不在の間、リーグ未勝利(1分け3敗)とミランはどん底。さらにイタリア杯も敗退した。同国内では、この試合に敗れるとインザギ監督が解任される可能性を報じていたが、ひとまず同監督は続投となった。救世主とはなれなかった本田にとって、唯一の明るいニュースだった。

 ただ喜んではいられない。チームは締め切り間際の冬の移籍期間で、一気の補強に動く。ガゼッタ紙によるとローマFWデストロ加入の可能性が高いという。FWの補強は確実でライバルはまた増える。本田はチーム内外の障害を、どう乗り越えていくのだろう。