リオデジャネイロ五輪に向けた最後のテスト大会を兼ねる陸上の国際競技会が14日からリオ市内の五輪スタジアムで行われ、主に中南米から集まった参加選手が新しく敷設されたトラックなどの好印象を口にした。

 ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が男子100メートルなどで五輪3連覇を狙って走るトラックは、前回ロンドン五輪と同じメーカー製。100メートル男子で2位だったブラジル選手は「状態はいい。走りやすい高速トラックだ」と話した。

 同決勝は追い風0・4メートルだった。視察した日本陸連の大嶋康弘事業部長は、1万5000席の仮設スタンドが増設された観客席の高さに着目し「強い向かい風が吹くこともないし、追い風が強くて参考記録になってしまうこともない」とみた。

 女子棒高跳びの2011年世界選手権覇者で、地元ブラジルの期待が高いファビアナ・ムレルは圧勝し「好きなタイプのトラック。スピードに乗れる」と笑みを浮かべた。他の跳躍種目でも多くの選手が「反発力が理想的」とトラックを称賛した。

 メインスタンドは無料で開放され、主催者によると週末の2日間は合計7000人の観客が入った。大きな声援や拍手で選手を鼓舞し、会場の音楽に合わせて陽気に踊るなど、五輪本番の盛り上がりを予感させた。