陸上のダイヤモンドリーグ第11戦のアスレテッィシマがスイスのローザンヌで行われる。リオ五輪後の最初のダイヤモンドリーグには10人の金メダリスト、31人のメダリストが出場予定だ。

 ウサイン・ボルト(30=ジャマイカ)は出場しないが、短距離で注目したいのは新たな女王となったエライン・トンプソン(24=ジャマイカ)だ。リオ五輪では女子100メートルと200メートルの2冠を達成 。100メートルでは2位に0・12秒差をつけ、200メートルでも21秒78の今季世界最高をマークした。

 ローザンヌではリオ五輪4位のマリー・ジョゼ・タルー(27=コートジボアール)らを相手に、どんな走りを見せてくれるだろうか。

 金メダリスト同士の兄弟対決という極めて珍しい勝負が男子円盤投げで実現した。リオ五輪を68メートル37の今季世界最高で制したクリストフ・ハルティング(26=ドイツ)と、兄でロンドン五輪金メダリストのロベルト・ハルティング(31=ドイツ)が出場する。

 今季の成績では弟がリードしているが、兄は五輪&世界陸上で4回の優勝を誇る。昨シーズンのケガから今季は出遅れていたが、7月に68メートル04まで回復させてきた。リオ五輪銀メダルのピョートル・マワホフスキー(33=ポーランド)も加わった三つ巴の争いが予想される。

 また、男子110メートル障害にはリオ五輪のメダリスト3人が揃った。金メダルのオマー・マクロード(22=ジャマイカ)が今季の勝率ではナンバーワンだが、銀メダルのオルランド・オルテガ(25=スペイン)の方が自己記録では0・03秒だが勝っている。銅メダルのデミトリ・バスコー(29=フランス)は自己記録が決勝進出者中最も低かった選手。ある意味、マクロード以上に勝負強い。

 記録的には12秒89を持つデービッド・オリバー(33=アメリカ)が出場選手中トップ。メダリストの上位独占阻止をもくろむ。

 ◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各種目は年間7大会で実施され、各大会のポイント(1位10点~6位1点)合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。