全日本実業団対抗女子駅伝は11月27日、宮城県松島町文化観光交流館前を出発し仙台市陸上競技場をゴールとする6区間42・195キロで行われる。前回2位の豊田自動織機が8年ぶりの優勝に向けて戦力を整えた。

 5000メートルの今季平均タイムは全チーム中1番速い。さらに横江里沙(22)が7月にマークした15分18秒11は、今夏の同種目でリオ五輪に出場した尾西美咲(積水化学)鈴木亜由子(日本郵政グループ)上原美幸(第一生命)のシーズンベストを上回り今季最高だ。

 横江は前回5区(10キロ)の区間記録を更新し、2人を抜いてチームの2位入賞に貢献した。今年はエース区間の3区(10・9キロ)で区間賞も狙えるほどに成長。「昨年も2年前も3区で優勝チームに差を広げられてしまいました。3区に起用されたらエースとしてチームから求められる走りをしたい」と意気込む。

 1区(7キロ)もしくは2区(3・9キロ)での出場が予想されるのが福田有以(21)だ。2年前には2区で区間賞、さらに昨年は同じく2区で区間2位と快走を続けている。元々1500メートルの中学記録を持つスピードランナーだが、5000メートルでも来年の世界陸上代表を狙うまでに成長した。

 4区(3・6キロ)のインターナショナル区間はアン・カリンジ(27)が走る。カリンジは9月の全日本実業団で1500メートルと5000メートルの2冠を獲得して現在絶好調。3区を終わって20秒差以内なら豊田自動織機が4区でトップに立つ可能性は極めて高い。

 横江は「ここまでみんな練習はしっかりと積めています。あとは『優勝するんだ』という気持ちをどれだけ持てるかだと思います」と力強い言葉を発した。福田も「今年は優勝を狙える力がついた」、さらに5区候補の林田みさき(20)も「去年の横江さんのように突っ走って優勝に貢献したい」と意欲を見せる。8年ぶり2度目の優勝に向けてチームは上げ潮ムードだ。