<陸上:アジア選手権>◇初日◇7日◇神戸ユニバー記念競技場

 女子ハンマー投げは綾真澄(31=丸善工業)が67メートル19で日本人金メダリスト第1号となった。1998年から実施され始めた歴史の浅い種目だが、過去7回はすべて中国が優勝していた。今大会でも劉■■が65メートル42を投げたが、綾は優勝記録のほかにも2回目と4回目に66メートル台を出すなど、危なげない勝利だった。「とてもうれしい。そのひと言です。優勝は全然意識していませんでした」。

 雨にたたられコンディションとしては良くなかった。しかし綾は「天候は気になりましたが、それ以上に自分のやるべきことに集中できました」と勝因を挙げる。今回の優勝記録は5年前に出した自己記録に7センチと迫るが「あの頃よりも安定しています」と強調する。「去年の11月に根本的に投げ方を変更しました。コーチの溝口和洋さん(やり投げ日本記録保持者)からアドバイスをいただき、冬の間中ずっと、良い感じの練習ができました。ウエイトトレーニングの重量も5キロ、10キロとアップしていますし、ケガもありません。全体的に筋力バランスが良くなり、今までにないくらい良い感触で投げられています」。

 投げ方をどう変更したかは具体的に語らないが、ここ数年はターンの最中にハンマーヘッドがどこに位置しているのか、自身で把握できていなかったという。それが今季は「しっかりと理解して、スピードを加えることができている。必死になってターンしなくても、スピードを乗せられる方法があるとわかった」と、手応え十分の様子。

 アジア選手権の優勝者は世界陸上のA標準突破と同じ資格を得られるため、代表に追加される可能性が大きくなった。※■は2文字とも女へんに亭